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歳在庚寅 皐月抄  服 部 清 人


新緑を抜けて新緑少女笑む

夏山の億千万の葉のゆらぎ

光あれば緑陰生ず午後三時

森にありて気の満ちること五月闇

かつてここで宴のありて草萌ゆる

生も死もちっぽけなこと風薫る

ほとばしるみどりきみどりなつのもり

夏山にて静かに深く息をして

そのうちに彼奴らもミンミと鳴き始め

万緑の午後会ふ人はみな笑顔

守るべきもの我らあり木下闇

スクリーンのヒロインのごと白日傘

老鴬は間をはかりつつ独唱す

藤懸の坂しんがりに陰ふみて

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