歳在辛卯 皐月抄  服 部 清 人

知立の無量寺へ杜若を訪ねて十句
萬緑や松の一葉も業平も

八橋と言へど橋なくかきつばた

燕子花旅といふ字を空に書く

かきつばたひらがなのよにさきにけり

燕子花紫衣ひらひらと風に揺れ

かきつばたひょいとつまんでみたくなり

姫たちがなんじゃもんじゃの木の下で

羅を来ても在五になれませぬ

緑陰にひそと句碑あり在原寺

八橋のその八番目踏むと初夏

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