『コットウ』といえば

醍袱 望


『コットウ』といえば

興味の無い方からは
高尚な印象を受けるらしく

横からは
アヤシイ。って

ピンからキリまで
玉石混淆、魑魅魍魎。

犬の飯碗が
天下の名物茶碗???
なんて噺も囁かれて

ハタから見れば
単なる"石ころ"も
僕にとっては...

 
ある日、
骨董市で
コロリと小皿。

値段といえば
イマドキのCD2枚。
そんなの買うくらいなら
僕はコッチ。

皿には
何が描いてあるのか
意味があるのか
無いのか...

食卓で
ヒョイと使ってみると
なんとも嬉しい。

『イマドキ』も良いけれど
やっぱり僕はコッチ。
 
小皿を楽しむ余裕も
イイモンダ。


後日。
ほくほく顔で
仲間へみせても
ぽそぽそツレナイ反応

問いただせば
彼が露店主人に売った物だった
 
伸ばした手を思わず引っ込める。
  
 
それならばと
休日は“ヌケガケ”
ふたたびコソコソ骨董市

辺りを見渡せば
フト見覚えのある後頭部が背中を丸めて...

見かねて声をかければ
“アレ、あんたもかぃ”と紅い顔。

やっぱりアンタも来てたのネ。
狢は同じ穴に集うのか

こんな
『ご縁』があるのも一興。
イロイロあるから楽しい。

青空のもと
ムジナ達の話は尽きないけれど
横目でつかんだ茶碗は離しません。

世間は狭いが奥も深い。
転がる石たちには苔も生えない。


果ては時間をみつけて
イソイソ骨董屋さん

半分?は『モノ』を観に
あとはキッパリ『ひと』目当て

出会うお客さんは
良い意味での個性派ぞろい

光ってます
『骨董』に負けないくらい。

やっぱり『ひと』が面白い。


2008年4月12日
(大学助教)




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