年寄りのたわごと
            あんたにいわれたくない―(20) 
           年寄りのボヤキ 自民党総裁選に思う

                                                   ななえせいじ
 
 自民党総裁選が決着しましたね。その結末は面白くもあり面白くもなし。岸田さんがダメというわけではありません。年寄りの多くは菅さん以外だったら誰でもいい、というもの。菅さんも嫌われたものだ。俺たちサラリーマンだって長い人生に左遷あり、裏切りあり、どの派閥につくかで明暗が分かれます。挙句は名もなく貧しくただの人で終わる。これが人生。菅さん元総理ですから・・・。
 確かに自民党総裁選はコップの中の争いかもしれないが、野党のどの党よりも大きいからどんぶりの方が妥当かもしれない。菅総理の手腕不足が自民党の顔として相応しくないとして若手議員は浮き足だった。近づく総選挙で下野するかも知れない危惧から若手議員はじめ中堅議員がどんぶりの中をかき回し始めた。その中味は納豆。うまく発酵してくれれば栄養価も増すでしょうに。とまあ年寄りたちは評論家気取りでボヤキながらつぶやいているのであります。
 さて河野さん。下馬評を覆して負けてしまいましたがまだ若いからリベンジの機会はありますよ。勢いに任せてコメントするばかりが能じゃありませんよ。新党興せとまでは言いませんが、例えば原発ゼロならゼロで強い信念を貫いてほしい。女性天皇も世論受けするだろうし、年金財源税負担というのも悪くない。この先何があろうとも派閥の実力者に遠慮することのないように。忖度なしの自由な発想で行こうよ。苦境の若者たちは現状に満足していないはずだから爆発的に支持者が現れるかもしれませんよ。(秋の夜長の年寄りの夢でした。
 総裁選。自民党の狡さを垣間見ましたね。総選挙を目前にして菅さんを下ろしたのには大所帯の有利さを維持したままで解散総選挙にもっていきたかったのだろう。菅さんより新総理の顔の方がましと首脳陣は踏んだのでしょう。総裁を替えることで数々の不祥事を希薄なものにしたかった。やはり狡いよね。だけれどもコロナは終息していません。果たしてコロナはこれを許すだろうか。国民のいら立ちは予想以上だということを侮ってはいけませんよ。
 この狡さに加担した党があるとすれば連立与党のもう一つの党だ。
 コロナ対策の名のもとに給付金を出すだのと国民受けしそうな政策を馬ニンジンにして総選挙を有利に導こうとする。これも狡猾?

 まさか野党は手をこまねいておりますまい。立憲民主党は国民に向かって党独自の政策を先ごろ発表しましたよね。
 野党に対する街頭のコメントは厳しいよね。反対するばかりで発展性がない、希望が見えない、国民に何をしてくれるの、などなどだ。枝野さんが「我々が政権を取ったら」と声を上げていたが現実味がない。とにかく今は支持率を上げる時よ。政権与党の支持率低迷から自民党は「党の顔」という位置づけで総裁選を前倒しして支持率挽回狙いでマスコミのワイドショーを演出した。これも巧妙な手段?
 野党も顔づくりから始めようよ。女性活躍の時代をもっと意識していいと思いますよ。例えば蓮舫さん、激しい口調で迫るのは小気味いいように映るが聞く方は疲れる。ここは穏やかに女性の魅力でやってみたら印象は変わると思いますよ。とにかく今は野党党首にスター性が欲しい。(有権者は大まじめですよ)
 立憲の枝野さん「所得税は1年間ゼロ」を掲げていましたね。これ賛成。年寄りは所得がないからむやみに賛成したわけではありません。所得格差が激しくなっている今を是正する必要があります。金持ち優遇の世の中を変えること。貧富の差を縮めること。新政権の取り組むべき課題の一つだと思いますよ。どこの党だったかな、一律10万円支給というような公約を掲げていた。これ買収じゃないですか。こういうのは好かないネ。確かコロナ直後だったね、あの時の10万円は助かったな。でもまたこれをやったとしたら気持ち悪いよね。赤字財政下ですよ。国民の就業を促す意味で働いた人にだけ給付する、というようなやり方がありそうだよね。もちろん慎重であらねばなりませんが、働いた証明は雇い主にある。人手不足なのですからいくらでも働く場所はあるはずです。働かざるもの喰うべからず、労働は美徳、この精神を国民に意識付けましょうよ。(高度成長期を来た年寄りには非正規だの雇止めだのの労働搾取の現実は分からない)
 間もなく発足する新内閣のなすべきことは山積しております。コロナ後の日本の社会は明るいものであってほしい。
                                 
                         
               2021年10月1日
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