年寄りのたわごと あんたに言われたくない(24)
                  時には狂犬のように噛みついてみな

                                                   ななえせいじ
 
 (23)からの続き
 次に挙げるとすれば熱海の土石流事故。この世の不条理を嘆かないわけにはいきません。
 いったい何が不条理なのか。
 行政の国民に対する信頼度は高い。それゆえに危険な盛り土を放置したままというのは行政の不作為の作為といえる。日本は建設王国、ともすればなあなあの関係が生じやすい。(世間にはそううつります)
 この頃多いと思いませんか。行政が何もしなかったがゆえに大問題になったということ。
 今朝の新聞報道で目にしたのは死亡したスリランカ女性のこと。病人を放置したのは日本の出入国管理局。ここでも不作為の作為が見て取れる。姉の死を不審に思い妹は日本の行政に噛みついた。ある意味あっぱれであります。きっと多くの日本人はあそこまで噛みつくとは思わなかったのでしょうね。
 輝ける日本はもう過去のことか。経済大国の誇りも失せつつあります。他国に流れていく優秀な頭脳。国民は中流意識からさらに定位に下がりつつあります。
 日本そのものが廃れていく。いろいろな指標がこれを現実なものになっていく。明日の生活に事欠く貧困家庭、学費に困窮する大学生。仕事もなく年を越せない路上生活者。強盗殺人、窃盗万引、無謀な交通事故、この年の瀬に暗い話ばかりであります。
 そうそう、公文書改ざんの赤木さん。改ざんという事件に絡み自殺しました。夫の無念を思い奥様が立ち上がりました。国を相手に噛みつきました。
 少し古い話ですが、大手広告会社に噛みついた高橋まつりさんの過労死事件。もう6年になるそうです。まつりさんのお母さんは過労死の実態を暴き広告会社に噛みつきました。
 今非正規雇用が増えコロナの影響で仕事がなくなりつつある中で過労死などの労災認定が2020年度まで2年連続過去最多を記録したそうです。
 前総理大臣菅さんは「自助・公助・共助」を政治目標に掲げました。
 自分のことは自分でまもれってこと、今更ながらよくわかります。時には狂犬のように噛みつくことも必要だということも分かります。
 来年は寅年でしたね。虎穴に入らずんば虎子を得ず、でしたね。
 厳しい年になりそうです。良いお年を
。     
                         
               2021年12月30日
生々文庫目次に戻る
最初のページに戻る