年寄りのたわごと
             あんたにいわれたくない―(9)
                                                    ななえせいじ

 明けましておめでとうございます。
のっけから悲観的なことで申し訳ありません。この頃かしましいのは民主主義の話です。身近でありすぎて深く考えられなくなった民主主義。ここ70年余の間に平和憲法を手にし、言論の自由も保証された国民は、これをいいことに民主主義のことを深く考えなくなった、と思うよね。勝ち取ったはずなのにのど元過ぎれば熱さを忘れの状態でいるよね。この身勝手が実はコロナをはびこらせてしまった要因につながっているって思うんですよ。としたなら国民皆はもっと真剣にならざるを得ないでしょう。
 終息が見えない今、政権は迷える羊さながら政策をきっぱり決めかねている。どの業界にもいい顔しての八方美人的政策は、結果八方ふさがりになっている。
 コロナ感染は爆発的に増えておりますよね。国民の命も安全でありません。怖いのは新型コロナに歩調を合わせるように民主主義まで変異しているってこと。
 その原因があるとすれば民主主義のゆがみじゃなかろうか?つまりあまりに個人主義が増長しすぎて民主主義の真意が分からなくなったということ。全体の総意とか手続きに拘り過ぎて方向が決まらない。この際、多少の個人主義とゴリ押しは仕方ないから強引に進むべきだと思いますよ。
 ところが現実は世論に気を使いすぎじゃなかろうか。目に余る個人主義の横行であります。SNSがその一例。人の命も奪う誹謗中傷も言論の自由の内なのでしょうか。これって民主主義の副産物?こんなの民主主義じゃない。SMSを敬遠する私は時代遅れの人間、かつ民主主義に乗り遅れた古い人間の部類なのでしょうか?
 現代の民主主義は、個人主義、自由主義、全体主義、絶対主義、独裁主義も含めていろいろな主義主張がないまぜになっているよね。コロナ対策に迷走する政府の対処療法を見ているとこの主義のどれにも顔を出してくるように見えるよね。平和国家日本の「まあまあ主義」を垣間見るよね。
 日本では、事の解決に「玉虫色」とか「忖度」とか、「決をとる」とか「議案を持ち帰る」とか八方美人的な解決の方法をとるケースが多い。三人寄れば文殊の知恵といいますが、これって民主主義の根幹にある素晴らしい意見集約の方法とは思いますよ。が穏やかなようで実は不平不満のしこりを残すもとでもあります。であってもこれが民主主義なのだとすれば、学習能力に欠ける政府のコロナ禍の対策はいたずらに民主主義をゆがめている。この際嫌われても良いから、自信にあふれた強いメッセージを出すべきではないか。有事の際は八方美人的民主主義手法じゃダメってこと。たとえ全体主義、絶対主義と非難されようと強い意志で臨まなければコロナは収まりそうにありませんよね。とまあこの年寄りは思います。(あんたに言われたくない?そうでしたね)
 民主主義先進国といわれるアメリカの選挙の話。民主共和両陣営の醜いいがみ合いが続きました。ついに国会に侵入、死人まで出す騒ぎに発展しました。ここまで本末転倒した民主主義ってどうなっているの?コロナによって民主主義がどう変異しようと絶対護らねばならない大切なものであります。日本は同盟国だからってこんなアメリカを見習ってはいけませんよね。 選挙の多い今年は、せっかくの民主主義を買収とかで汚してほしくありませんよね。コロナからコイン感染なんて、笑いごとで済まされませんよ。民主主義の番人は国民ですよ。
                         
                2021年1月9日
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