老人の主張20
               AIと共存する社会 
       チャットGPT登場 人間の思考力どう変化するか

                            
        ななえせいじ
 
                                         
 日本で今深刻なのは人口減と空き家問題。日本国民ならどなたも同じ思いでしょう。でもこれ以上に世の中は変わりつつあります。
 コロナ禍の3年間、デジタル化でオンラインワークやら急転回しております。中でもAI(人工知能)は本来の人間の仕事に代わっていきつつあります。中でも画期的な変化を呼び起こしているのがチャットGPTなるソフトの登場です。単語で質問すれば文章で応えてくれるという優れもの。京大の入学式で学長は学生に「文章は自分で考えて書くように」と忠告したとの報道です。
 経済は成長するものと思っていましたら世界経済は2,8%増へ鈍化しているそうです。日本はそれ以下で先ごろ日銀新総裁は就任あいさつで「物価目標2%」に据え置くと表明しました。当面は前総裁の目標2%を踏襲するというのです。国民はこのところの物価高で苦しんでいるときに2%でもインフレ容認はきつい。それともそれ以上に経済規模が大きくなれるのでしょうか。気持ちは分かりますが国民はアベノミクスからの転換を望んでいると思いますよ。どっちにせよ老人には難しい課題であります。

 さて現実に戻ってこれからの社会環境を考えてみましょう。
 不安だらけの職場環境。若者は結婚に踏み切れないし家族も持てない。こうして少子化が進み人口は減り続けます。この閉塞感から真面目な人ほど落ち込みます。追い詰められて特殊詐欺に手を染め人生を棒に振ってしまう若者たち。こんな歪んだ社会は何とかしなければなりませんよね。一時しのぎのお金より安定して働ける職場を用意することの方が大切です。
 何事にも偏差値思考でランク分けする世の風潮そのものを改めるべきです。今こそ政府は温かみのある政策で支持率を上げる時です。
 人間は人間らしくありたい。確かに人生百年時代にふさわしく人間の優しさを活用した仕事は増えています。介護とか保育とか、医療とか、悩み相談とかなどなど人間でなければ出来ない仕事は増えています。人の優しさは人間に備わった本質なのです。従ってどんな時でも人間の力は必要なのです。それでもコスト削減を優先させますか。どうあってもロボットを導入しますか。労働の補助ならまだしも省人化の為でしたらロボットは労働者の敵であります。
 折しも量子コンピューターの実用化が近いそうです。ロボットが高度化されればますます現場で働く労働者は不要になります。現場で働く人の居場所がなくなりロボットに支配され奴隷のように人間の方が扱われる。やはりここは人間同士が阿吽の呼吸で仕事が進む職場がいい。
 先進的な企業は人事制度を見直しヒエラルキー的な中間管理職を廃止しようとの動きがあるそうです。フラットな人事制度。これまで新人社員の教育は専ら古手の管理職でしたがこれを見直し同僚か同期か、少し先輩がこれに当たるというもの。しかも人事評価は管理職の専権から外し社員同士が評価する。
 エリート集団を構成し多くの部下を自在に動かし組織で動く大企業は人事の異動配置だけで膨大なコストをかけてきました。ここを柔軟な人事制度に見直しフレシキブル組織に組み替えるのは当然であります。人の上にも下にも人をつくる人事はもう古い。福沢諭吉ここにあり。

 これからの社会は消費の部分にだけ人間は主体的になれるはずです。物価が上昇し家計が苦しくなったことで政府は現金をバラ撒こうとします。確かに有権者の受けはいいでしょう。でもこれって国民のための建設的な政策なのでしょうか。  
 こども家庭庁がいよいよ発足しました。貧困、いじめ、虐待といった社会問題をこの省庁が一括して扱うというものらしい。少子化対策とこどもを護るというのですから大切な仕事です。子供は日本の宝です。国は経済一辺倒からやっと人間性豊かな方向に向いてくれました。嬉しくなりました。

 少子化対策はひとまずスタートしました。これからはすそ野が広い個人起業家を育てる時でもあります。通信販売とか無店舗販売とか個人で起業しやすい素地が沢山あるのですから。発想豊かな学生起業家も育てる。小さな店舗、小さな事業、オンリーワンの企業を育てる。日本の底力を今こそ見せる時であります。宇宙旅行とか最近話題なのは空飛ぶ自動車の登場などいずれも国や大企業の枠を超えて町工場からの発想にあります。科学の発展は想像を超えております。空飛ぶ自動車が実業化されれば日本中のどの地域も通勤圏になります。明るい未来が必ずやってくるでしょう。老人は遠い空から応援しております。偉そうなこと言いました。お許しを。

                 
 2023年4月10日
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