老人の主張22
               日本で一番小さい世論調査

                            
        ななえせいじ
 
                                         
 コロナが一段落し賑やかな日常が戻りつつあります。傘寿を過ぎた我ら老人にはとても過ごしやすい気候となりました。そして迎えてゴールデンウィーク。引きこもりがちであった老人達は連絡し合って食事会を開きました。実に2年ぶりであります。集まった老人はたった4人。卒業以来ずっと続いていた会というのは「三八会」といいます。2年は短いようで長い。何人かがあの世へ旅立っておりました。今では発足時の3分の一になっております。
 たった4人でありますが好きに意見が言い合える気の置けない仲間であります。私はこの4人の意見集約を日本で一番小さい世論調査と位置付けております。その結果はいかに。

統一選挙をどう総括したか
 次の選挙くらいで消滅する限界政党があると確信的に言う者がありました。
 岸田政権に対する評価はどんなであったか。一様に批判的でありました。口さがないのは老人の特権か「コメントに説得力がない」といいます。
 今どきの政治家の言葉は心に響かない。うけ狙いの吉本風が多い。そこまでいきますとノイズなってしまいます。
 「我が巨人軍は永久に不滅です」と言ったのはあの長嶋茂雄さん。「山が動いた」と言ったのは土井たか子さん、安倍さんは多弁ではありましたが何を遺したかは思い出せない。
 選挙用とは言え「身を切る改革」は分かりやすい。日本維新のこのフレーズは有権者の心を捕らえました。選挙結果は報道されたとおりであります。もしも岸田さんが「身を切る改革」を標榜したならば白けムードでしょうね。
 4人のさらなる世論調査によりますと只今日本の世情は半革命的だという。4人に共通しているのは「戦争反対」と憲法改悪反対。

最近の茶会について
 茶道愛好家として余計なことを言うつもりはありません。コロナ3年、茶の湯愛好者は徐々に戻りつつありますが「元にあらず」であります。厳しいのは確か。老齢化社会の社会情勢がもろに出ております。一に体力、二に億劫、三に懐具合。四、五がなくて六に人間関係の希薄にあります。
 10年ほど前まで4人のうちの3人はわずかな期間でしたが私の茶道教室に通っていました。しかし大きな会社の管理職を定年でリタイアした男は長続きしません。座れない、点前が覚えられない、挨拶ができない、挙句は平点前ですらマスターできないで挫折していきました。
 昔の茶の湯は男の嗜みでありましたが、それが学校茶道の普及で家庭教育の一環から女の嗜みへと移っていきました。
 戦後の日本社会は重要な決め事は男がするものとした男中心社会でありました。しかし茶の湯は女の稽古ごととして盛んになりました。しかし今日、男女平等社会となって茶の湯の在り方も変わってきました。性別に関係なく茶の湯も性別による隔てはありません。男中心で来た世の中の仕組みが大変革を遂げつつある今日、この空気感は変わりつつあります。文化教養としての茶の湯世界にともすれば少なかった男たちを引き込む必要があります。今が端境期と思います。

ドラゴンズについて
 憲法記念日のあの逆転負けは何ですか。あまりに不甲斐ない。彼を知り己を知れば百戦殆うからず、と孫子の兵法に言います。まず戦場を知ること。浜風が読めないようでは戦う前から負けております。昨日の敗けは優柔不断が災いした。
 立浪語録について。選手は気にしますしメンタルを掻き乱します。選手に遠慮しないでもっと強く出てほしい。遠慮は無用。立浪監督は優しい。阪神の岡田さんは球審の判定に毒ついておりましたよね。選手は締まり大逆転に繋がった。(素人は黙らっしゃい。すいません)

                 
2023年5月5日
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