老人の主張24
             今の世を生きるにはどうしたらいいの?

                            
        ななえせいじ
 
                                         
就活について
 大学の銘柄で学生の就活を差別化するは企業側の特権か。ただいま就活中の学生はこれに戸惑っております。その就活に関わる面接でひどい差別を受けたという学生が結構多いのだそうです。その特集記事を読みました。「こんな大学出でよくもうちを応募する気になりましたね」というたぐいの話。こんな屈辱を受けたらばたとえ内定を得たとしても辞退しましょう。
 弱みに付け込んでパワハラ、セクハラすれすれの横暴が横行しているという。何様のつもりか時代錯誤もはなはだしい。
 コロナで採用を自粛していた企業も一転して売り手市場になって担当者は良い学生を採ろうと慌てているらしい。それだったら「みのるほどにこうべを垂れる何々」と言います。下手に出たほうが企業イメージがあがる思いますよ。
 しかし問題の根源は経済界の構造にあります。GDPの90%を10%の大手企業で占めているという寡占構造。どうしても大手企業の担当者はエリート意識が先行します。でも現実の社会は実力がモノをいう。学歴は良くとも人間性が劣れば社会は受け入れません。コロナ後の社会はそういう方向に変わりつつあります。差別にへこたれず誠実を貫きましょう。きっといい日が来ますよ。
 ここに至って学生たちは対等な立場で面接に臨みます。特集によりますと企業側の出方によっては内定を辞退する学生が増えているとか。

自分という信用銘柄
 高度経済時代をひた走り時代を駆け抜けてきたかつてのオールドサラリーマン。滅私奉公を美徳とし自分は極力控えてきました。ところが拡大経済は止まり企業間競争が激しくなりますとサラリーマン世界も厳しくなりました。定年退職とかで会社を離れた時にただの人と気づきます。低成長時代の今は出向、役職定年などで定年まで勤められる人はむしろ稀であります。
 同窓会でも自分を語るより会社を語る人が多い。定年後も現役時代のいい時代を引きづって「うちの会社」と言って憚らない。
 コロナ禍でたくさんの企業が倒産していきました。人生百年時代。定年後の人生は長い。だが生きていくための選択肢は少ない。ゆえに自分を見失う老人たち。かくして路上生活や引きこもりの老人が増えていきます。高度成長時代の付けが負の遺産となって若い世代にも及んでいきます。

少子化問題を考える
 日本の未来がかかる偰緊(けっきん)な課題であります。政府は最重要課題とし骨太の方針に盛り込みました。けれども予算は12月まで先送りされました。とりあえずのやる気風を示しただけ。伝えられる中味は子育て真っ最中の若い人には不評のようであります。
 例えば児童手当の所得制限撤廃。経団連はあまりいい顔してなさそうであります。多額の献金を受けてきた手前経団連の顔色は無視できない。どうする岸田さん。総理の専権事項「解散」をちらかせる意味がここらへんにあります。解散風が吹き荒れる永田町は選挙対策に追われているとか。
 児童手当は標準家庭で月額2万5000円(年収960万円未満)。その予算は約3兆円と試算される。予算の財源は年金を減らすか増税だろうというのが大方の予想であります。お金よりも安心が欲しい、仕事が欲しい、今のままでは家庭を持つ気になれない、いつ雇止めになるやもしれない労働環境でとても子供を育てていく余裕がないし勇気もない。労働格差が大きすぎるし不公平。
労働環境が劣化していく日本の現状は先進国じゃありませんよ。
 少子化対策の妙手は結婚して家族を持ちたいとした願いが普通に持てる環境を整えること。若者には夢の夢か。


                 
2023年6月15日
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