ななえせいじのエッセー             
         
笛吹けども踊らない経済 
    
                          
       ななえせいじ
 
 
 現状の国民生活は不安だらけです。所得はここ30年一向に増えていないのですから払うべき税金も増えていません。でも大企業の法人税収は上がっているのですから国の予算はどうにか工面できているようです。(推測です)。高額所得者の国民ならば多少実感が沸くでしょうけれど日々生活に追われる国民は減税と言われてもピンときません。従って減税で還元と言われても国民は有難味をそれほど感じておりません。毎日の買い物で払う消費税減税ならば多少有難いと感じるかも知れません。この国の民は一億そう貧乏人で占めているのですから恩着せがましく捕られてしまいます。だから選挙受け狙いと見透かされてしまいます。つまり減税策は金持ち優遇策と見て取れます。
 世界のあちこちで紛争が起っています。平和な日本であることはありがたいが国民は平和ボケしていますからウ・ロ戦争、中東の戦争から少しずつ危機意識が芽生えているようです。明日は我が国かとも。この危機意識に乗じて防衛予算の増額を閣議決定し憲法改正まで目論んでいるようです。泥棒猫みたいであまり感心しません。
 岸田内閣の支持率は危機水準に低迷しています。だからと言って国民はこの報道に一喜一憂している場合じゃありません。自分の支持はどこにあるのかが大切です。我ら老人の日本一小さい世論調査によりますと岸田内閣の支持率は0%であります。厳しいサラリーマン時代を生きてきたこの老人達の不支持の根底にあるのは政策に期待が持てないであります。悪い事にそう思わせた出発点は総理が息子を内閣官房に登用した人事あたりからです。さらにここにきて政治家の政治資金規正法違反が明るみになって「それいわんこっちゃない」と老人達は意気軒高なのです。法をつくる国会議員が法を踏みにじって何事じゃ、というわけです。老人の口さがない意見がさらに続きます。これから先、政局はどう動くのか、老人たちの関心は死後の世界まで及んでいるようです。

 例えば大阪万博。お金もないのに予算は膨らむばかり。世論調査は中止を求めるものが多いらしい。会場建設費は当初予算のほぼ2倍、2350億円とか。国際紛争やらコロナの影響から物価が上がりこの予算になったという事情がある。これハンパじゃない。それでもやり遂げるのだと言い出しっぺの責任からか地域政党の枠を飛び出してもはや政権与党の心意気で突き進んでいく政党があります。この心意気を危ぶみ独裁政党だと危惧する声も上がっているらしい。もしこの政党が世論を完全無視して暴走するなら老人達は思い上がりと警告するでしょう。確かに議席は地方も含め増やしているようですが一方で失速感も漂い始めております。一時の人気で舞い上がってはダメです。真に国民のための政策とは何か、党の信念はどこにあるのかをじっくり検証する必要があります。以前この党は「身を斬る改革」で有権者の共感を得ました。しかしその後の党首の方針吐露で疑問を感じたことがありました。当選者を増やした勢いに任せて別の野党の党首の選挙地盤に対向馬を立てるのだという野心を覗かした。野党同士で争ってなんとする、とその時思いました。案の定党員の教育も未熟ときているから政治活動費を二重取りしていたというような間違いを起こしました。これ事実なら足元を固めてから党の骨太方針を固めよと・・・。

                                 
2023年12月5日
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